午前の部「基礎編」と午後の部「応用編」として、1日研修を7月21日、三連休の最終日に神奈川県看護協会の会場をお借りして山﨑絆塾を開催しました。

19日に、予定していた講師よりなんと「子どもの体調が悪く入院となりました…」とこの一報がメールに入りました。これは大変なことになりました。

連絡を受け一瞬“中止にしようか!” しかし、すでに連休に入り中止の連絡が全ての受講者に届かないだろう、職場でメールを確認していた人もいるかもしれない、中止にする訳にいかない。何方かにお願いをしなければ…。

今回の研修プログラムを一緒に企画してくださった深谷さんにお願いすることにしました。深谷さんは看護協会での支援ナース研修でクロスロードを行った経験がありました。

次に本年の4月末~5月にかけて被災地訪問を御一緒させていただいた釜石さんにお願いしました。釜石さんは被災後毎年ゴールデンウィークに被災地訪問していましたので、その移り変わりをお話して頂くようにお願いしました。

講演内容の準備する時間もない私からの依頼に心良く引きうけてくださりました上記お2人に心から感謝です。支えられました。

参加して下さった方は10名ととても少ない人数でしたが、かえって和やかなグループワーク、午前と午後ではメンバー変更も行い、横のつながりが強くなりまさに“絆”、人と人とのつながり・山﨑絆塾です。

参加して下さった方からの感想文を紹介します。

参加者の声

第6回山﨑絆塾に参加して

思わぬことがあっても参加者を思い、予定通りに開催できるように手を尽くしてくださりありがとうございました。前日のSOSに駆けつけて下さる方々がおられることも絆塾ならではと感動を覚えました。

今回は、クロスロードというYes/Noを選択するゲームを初めて体験させて頂きました。

講師の深谷さんから「いっぱいもやもやしてくださいね」とメッセージを頂いた通り、ボランティアとして、あるいは災害支援ナースとしてどちらを選択しても発生する問題にもやもやのしっぱなしでした。

参加者の活動フィールドは、臨床、大学、国内外と様々で、3.11の支援活動経験者も多く報道されない場所での実際を含め、災害を受けた地域での支援のあり方をいろんな角度から考える機会となりました。

被災したらみんなが避難所へという擦り込みから自宅で住めない人や住めない可能性のある人が行くという行政にシフトしていることも学びました。

災害対策研究会の釜石さんからは今春の東北の様子を写真や映像などでご紹介頂きました。そこには、時間が止まったままの地域と工事が進んでいる地域があり、釜石さんの「『土地の人を主役にする』支援」という言葉が胸に残りました。

絆塾の細く長く素麺のような活動のお手伝いができればという思いが強くなりました。参加者の中には、子どもを連れて東北を訪問、次世代につなぐ関わりをされていることも教えて頂きました。

福島県内の看護管理者からの報告(代理報告)では、原発事故発生直後に何の知らせもないまま防護服を着た人が病院にやってきて、「即、バスで県外に避難」と言われ、看護師がバスに同乗を許されない状況で高齢の患者さんたちが国道の渋滞に巻き込まれ水分もとれないまま脱水で死亡されたことから、患者のそばにいることができないことが看護職のストレスになることを学びました。

第4回の絆塾でお世話になった自衛官の方々とも偶然同じグループとなり、スマトラ沖での活動など貴重なお話を聞かせて頂きました。今回は3グループで進行役の講師以外はクロスロードに参加というお互いを身近に感じる演習となりました。

コーヒーやお茶など飲み物もご準備いただき、細やかなお心遣いを感じる温かい研修であっという間の1日でした。ご縁をいただいた皆様と東北を忘れず、<同じ方向を見て一緒に考える>という学びを活かしていきたいと思います。

乾 悦子

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